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寂聴さん出家の理由、お手本は「源氏物語」にあり 兄弟子が語る

人気作家だった瀬戸内「晴美」の突然の出家は、当時の文壇でも大ニュースだった。出家の理由は、なんだったのか。もっといい小説を書くため、男を断つため……。京都・三十三間堂本坊妙法院の門主で、兄弟子にあたる杉谷義純(ぎじゅん)さん(80)は「源氏物語」の影響があったと考えている。

寂聴さんの朝日新聞連載エッセー「寂聴 残された日々」はこちら
 ――寂聴さんは「出家とは生きながらに死ぬこと」と語っていました。なぜ出家したと思いますか。

 出家の理由を聞いたことがあります。「人間は、そう簡単に自殺や出家ができるものではない。いろんなことが絡み合い、一言では言えない」と語っていました。一度、自分を捨てない限り、生きていけないと考えていたんだと思います。

 岩手・中尊寺の得度式で髪をそったばかりの彼女を見ましたが、新たな出発というより、人生のけじめ、リセットを感じました。