パチンコの「釘学校」を全国初摘発 延べ2千人に「釘曲げ」講習か

宮城県警は7日、パチンコ台の釘を不正に曲げて、玉が出る確率を変える方法を教えていたとして、東京都台東区上野の会社「グランドライン」の社長の男(52)=同荒川区=と、講師の男(34)=同千代田区=を、風営法違反(無承認変更)幇助(ほうじょ)の疑いで仙台地検に書類送検し、発表した。
法人としての同社も同容疑で送検された。県警生活環境課によると、こうした会社は「釘学校」と呼ばれ、摘発は全国初という。

県警によると、「釘学校」の社長と講師は2019年、台東区の会社事務所で講習を開き、仙台市泉区のパチンコ店「アポロの泉」の従業員に、釘の曲げ方を教えた疑いがある。講習は5日間で、練習台で実際に釘を曲げるなどさせていた。社長らは容疑を認めているという。

同法は、遊技機の変更には、都道府県公安委員会の承認を受ける必要があると定める。同社は11年ごろから、全国のパチンコ店関係者延べ2千人に講習をしていたと見られるという。

県警はまた、実際に台の釘を曲げたとして、講習を受けた仙台市のパチンコ店従業員(48)や、店長(36)ら計4人と運営会社も、同法違反(無承認変更、変更承認不正取得)の疑いで同地検に書類送検した。

4人は今年4月上旬~5月中旬、ハンマーで計85台の釘を曲げ、当たりが出る確率を下げた疑いがある。店長は「売り上げを伸ばすためだった」などと説明しているという。

5月中旬、検査で立ち入った警察官が、釘の曲がった台を発見。その後の捜査で、釘学校の存在なども明らかになった。(平川仁)

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仙台市のパチンコ店から押収された、釘が曲げられたパチンコ台=2022年11月7日、仙台市泉区泉中央1丁目、平川仁撮影
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