インド東部ジャールカンド州の小児病院で今月1日、生後20日を過ぎた女児の腹部から不完全な胎児8体が摘出された。女児は先月10日、同州ランガル地区の公立病院で誕生、腹部が異様に腫れてしこりがあったという。『India.com』などが伝えている。

ジャールカンド州ラーンチーの「ラニ小児病院&リサーチセンター(Rani Children Hospital & Research Centre)」で今月1日、生後22日の女児の腹部の嚢胞の中から、完全に成長していない胎児8体が摘出された。

先月10日に別の公立病院で誕生した女児は腹部が大きく腫れており、医師に「しこりがあるので早急に手術をするように」と同病院を紹介された。そして検査の結果、横隔膜の下に嚢胞や腫瘍のような塊があることが指摘されていた。

こうして女児は監視下に置かれ、今月1日に腹部の塊の摘出手術が行われた。手術を担当したモハメド・イムラン医師(Dr Mohammed Imran)は当初、大きく腫れた腹部は腫瘍が原因だと思っていたそうだが、腹腔内には嚢胞が一つあり、その中に3~5センチの不完全な胎児8体が含まれていたという。

イムラン医師によると、この症状は非常に稀な先天性奇形「胎児内胎児(FIF)」で、50万人に1人の確率で発生するという。これは多胎の発生過程で一児が他児を吸収した結果生じると考えられており、完全な胎児形態には至らないことが多い。これまでに世界で200例余りしか報告されておらず、そのほとんどが胎児1体で、同医師は「8体というのは世界初のケースではないか」と驚愕している。ただ不完全多胎である「胎児内胎児」と、胚細胞由来の腫瘍であり骨や筋肉組織、毛を含む「奇形腫」との区別が難しく、今後さらなる検証が必要なようだ。

なお女児の手術は1時間半を要したものの体調は良好で、今月10日過ぎには退院できるということだ。

ちなみに今年7月にはインドで、腹部に余分な手2本、脚2本があり、まるで未成熟の胎児が結合したような女児が誕生し話題となった。

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