今年のノーベル経済学賞はベン・バーナンキが受賞した。日本で数少ないバーナンキ門下生の一人が慶應大学商学部元教授の渡部和孝氏(49歳)だ。本誌編集者はノーベル賞の取材のため渡部氏に連絡を入れた。ところが、渡部氏は9月末に大学でのポジションを失ったばかりだった。2019年に脳梗塞で倒れ、今も言語障害に苦しんでいる。
「経済的な不安の中で、この先どう生きていったらいいかわからない」。初めて連絡を取った編集者に、渡部氏はそう吐露した。他に相談できる相手がいないからだ。突然の病によって、誰にでも起きうる孤立と孤独。救いの手はあるのか。

https://news.yahoo.co.jp/articles/43727c1f6d105c4a283ffe434562f9d66053e16c

渡部は現在、同大学の障害者雇用で臨時職員として働いている。勤務日は週3日、データ入力の作業だ。時給は1150円。その給与と月8万円ほどの障害者年金が現在の収入だ。