セブン、米ファンド・ヨドバシ連合にそごう・西武売却へ

セブン&アイ・ホールディングスは百貨店子会社のそごう・西武を米投資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループに売却する方向で最終調整に入った。売却額は2000億円を超えるもよう。家電量販店大手のヨドバシホールディングスはフォートレスと連携し、東京・池袋や千葉にある主要百貨店内に出店するとともに、店舗不動産の取得を通じて資金拠出する見通し。セブン&アイは主力のコンビニエンスストア事業に経営資源を集中する。

近く正式決定する。セブン&アイはそごう・西武の全株式をフォートレスに売却する一方、そごう・西武子会社の生活雑貨店、ロフトはグループ内にとどめる。

関係者によると、フォートレスは西武池袋本店(東京・豊島)やそごう千葉店(千葉市)などの主要店舗にヨドバシを誘致する。ヨドバシは店舗不動産の一部を取得して営業するもようだ。

セブン&アイは年初からそごう・西武の売却手続きを進め、2次入札を経て優先交渉権を与えたフォートレスと条件を詰めてきた。フォートレスはソフトバンクグループ傘下の投資ファンドで、不動産会社のレオパレス21や国内ゴルフ場最大手のアコーディア・ゴルフ・グループへの投資実績がある。

セブン&アイは2006年に2000億円超でミレニアムリテイリング(現そごう・西武)を子会社化した。専門店や電子商取引(EC)企業に顧客を奪われ、そごう・西武の店舗数は07年2月期の28店舗から10店舗に減った。22年2月期まで3期連続の最終赤字と業績低迷が続いている。豊富な品ぞろえで集客力のあるヨドバシを誘致することで、都心にある主要店のテコ入れにつなげたい考えだ。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC07AAZ0X00C22A9000000/