ロシアによるウクライナ侵略で焦点化しているウクライナ南部ヘルソン州の州都ヘルソンを巡り、同州の親露派勢力幹部、ストレモウソフ氏は8日、交流サイト(SNS)を通じ、「ヘルソン市の情勢は間もなく最終幕を迎える」と述べた。同市の奪還を目指すウクライナ軍との本格的な攻防戦の開始が近いとの認識を示したものとみられる。

ストレモウソフ氏は、ヘルソン市を含むドニエプル川西岸地域からの住民の退避がほぼ完了したと表明。「情勢は今後数週間、あるいは数日中に決するだろう」などと述べた。一方で、「最も重要なのは住民の保護だ。われわれはいかなる決断でも下す用意がある。たとえ最も困難なものであってもだ」と強調。露軍が同市から撤退に追い込まれた場合を見据え、予防線を張った可能性がある。

同氏は6日にも「ウクライナ軍がヘルソン方面に多数の戦車や装甲車を集めている」と主張していた。

ヘルソン市はロシアが一方的に併合を宣言した4州の州都のうち、侵略開始後に掌握した唯一の都市。同市を奪還された場合、ロシアが政治的にも軍事的にも打撃を受けるのは必至だ。

ウクライナ軍はドニエプル川に架かる橋を破壊するなどし、ヘルソン市など同川西岸地域に駐留する露軍の補給路の遮断を進めてきた。親露派勢力は同市などの住民を同川東岸地域や露国内に退避させることを決定。ウクライナ軍は露軍が同市で市街戦を準備しているとみて警戒している。

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