https://news.livedoor.com/lite/article_detail/23174363/
[ワシントン 9日 ロイター] - 米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長は9日、ウクライナで死傷したロシア軍兵士は10万人を超えるとの見方を示し、ウクライナ軍もおそらく同程度の死傷者が出ているだろうと述べた。

米当局者が示したウクライナ紛争の死傷者の推定としてはこれまでで最多となる。

ニューヨーク経済クラブのイベントに出席したミリー氏は外交的解決の見込みについて、第1次世界大戦では早い段階で交渉が拒否されたため人的被害が拡大し、死傷者がさらに増えたとし、「交渉の機会が訪れ、和平の実現が可能なら機会をつかむべきだ」と述べた。

ロシアはこの日、ウクライナ南部の戦略的要衝ヘルソン市に近いドニエプル川西岸からの軍の撤退を発表した。

専門家の間では、これを受けてウクライナが有利な立場で交渉できるとの見方がある一方、ロシアが交渉で時間を稼ぎつつ態勢を整え、春に新たな攻勢をかけると警戒する向きもある。

ミリー氏は、現時点でロシアはヘルソンから実際に撤退しているようだとしながらも、完了には時間がかかる可能性があると述べた。

紛争によるウクライナ民間人への影響については、1500万─3000万人が難民となり、おそらく4万人が死亡したとの見方を示した。