国立科学博物館は山梨県の民家の水槽の中から日本で3種類目となるマリモ類を発見し、「モトスマリモ」と命名したと発表しました。

北海道の阿寒湖で有名なマリモですが、山梨県の山中湖などにも生息していて、これまで「マリモ」と「タテヤママリモ」の2種類が知られていました。

国立科学博物館の植物研究部では2011年から山中湖のマリモの研究を行ってきましたが、3年前に山梨県甲府市の民家の水槽でマリモが大量に発生したとの連絡を受け、新種の可能性があると判断して博物館で遺伝子解析を行いました。

その結果、すでに知られている2種類のマリモの遺伝子配列とは違い、オランダや中国で見つかっているマリモ類と配列が一致したということです。

マリモが発生した民家ではタイリクバラタナゴを飼育していました。タナゴは二枚貝に産卵するため、富士五湖の1つである本栖湖で採取した二枚貝を水槽で飼育していました。

この二枚貝に付着していた藻からマリモが発生したと考えられることから、科学博物館では「モトスマリモ」と命名。日本では3種類目のマリモだということです。

民家で見つかったモトスマリモの大きさは直径1~2センチ前後で、水槽の水流には関係なく丸い形になる性質があるということです。モトスマリモが海外からもたらされたものなのか、もともと日本にも生息していたのかは現時点ではわかっておらず、科学博物館では今後、富士五湖での潜水調査などを行って、さらに詳しく調べるために、現在、許可申請中だということです。

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