ノルウェー王室のソニア王妃(85)は、長女マッタ・ルイーセ王女(51)が米霊媒師と婚約し、王室の公務から引退すると今週発表したことをめぐり、アメリカ人は君主国の意義の重要性を理解していないと猛批判した。

 ハーラル国王とソニア王妃の娘であるマッタ・ルイーセ王女は今年6月に〝シャーマン・デュレク〟ことデュレク・ベレット氏(47)と婚約し、同氏が経営する代替医療ビジネスに専念するため、公務から引退すると発表した。

 同王女は王位継承順位4位だったが、すでに2019年、王室から引退する意向を表明。ただし、称号は保持している。

 王女はベレット氏が主宰するスピリチュアルをテーマにした講演ツアーに参加しているが、ある講演で「マッタ・ルイーセ王女」と称号付きで自身を紹介したことから、ノルウェー国内では「王室をカネ儲けに利用している」と批判の声が上がっている。

 AFP通信などによると、ベレット氏は自身のウェブサイトで、新型コロナウイルス感染からの回復に効くとする「メダル」の販売なども手掛けている。

 母親のソニア王妃は、「アメリカ人は王室が何たるかを知らない。だから、(ベレット氏も)理解できない」とし、「アメリカ人は耐えることを理解していない。私たち(王室)と妥協することも全く考えず、彼はやりたいことは何でもできると思っている」と同氏を強い言葉で非難した。

 ただ、王妃はベレット氏の人柄については「素晴らしい男性」だとし、マッタ・ルイーセ王女の決断は全ての人の理にかなったもの」だとしている。

 ハーラル国王は同国のテレビ局2NEWSに出演し、国民に向け、「王女の活動と王室との間に十分な距離を置くことで、問題を解決した」とし、称号については「娘はこれからも私たちの娘で、マッタ・ルイーセ王女だ」とし、はく奪しない意向を示した。

 マッタ・ルイーセ王女の公務引退をめぐって英国の一部メディアは、ヘンリー王子&メーガン妃の王室離脱と重ね合わせ、「ノルウェー版メグジット」と呼んでいる。

https://www.tokyo-sports.co.jp/articles/-/244650