「判断が遅い」岸田政権に前首相が募らせる不満 国葬で憔悴から復活
およそ1年前、引きずり降ろされるようにして菅義偉(よしひで)前首相(73)は失意のなか、権力の座を去った。取って代わって発足した岸田文雄政権がはや支持率低迷にあえぐなか、菅氏は何を思うのか。
2人だけの献杯が意味するものは
9月27日、安倍晋三元首相の国葬で「友人代表」として、菅氏は弔辞を読み上げた。ほほ笑む安倍氏の遺影に1歩下がって黙礼し、その足で、ある人物のもとへ向かった。
店に入り、酒をたしなまない菅氏はウーロン茶を手にすると、自民党の萩生田光一政調会長(59)と2人だけでささやかに献杯した。
安倍氏最側近だった萩生田氏は2015年10月から2年弱、官房副長官として安倍政権を支え、菅政権でも文部科学相を務めた。
菅氏は萩生田氏のことを、河野太郎デジタル相(59)や小泉進次郎元環境相(41)とともに、「将来の首相候補」の一人と見定めている。
「安倍さんは君のこと、かわいがっていたよね」
ぽつりと菅氏が話すと、直前に菅氏が捧げた弔辞に萩生田氏が触れて、2人は思い出話にふけった。予定の1時間半はあっという間に過ぎた。
互いに過密なスケジュールを縫って設けた会合は、安倍氏に仕えた者同士で苦楽を懐かしんだ、という意味にはとどまらない。
弔辞への世間の反響は予想外に大きく、2人の会合中、菅氏の携帯電話は、称賛や激励を伝えたい人たちからの連絡で引きも切らずに鳴った。
https://www.asahi.com/articles/ASQCB571NQB0UTFK00J.html
https://i.imgur.com/xE18Y7r.jpg