「移民受け入れ国」になったニッポン 円安でも「逆に増える?」

国際的に見て、日本は「移民受け入れ国」と言えるのか。外国からの労働者は今後も日本に来るのか。
移民をマクロな視点で研究している国立社会保障・人口問題研究所の是川夕(これかわゆう)国際関係部長に聞きました。

――近年、日本は積極的に海外から労働者を受け入れていますが、これは「移民受け入れ国」だと言えますか?

 「労働を目的とした受け入れをみると、例えば高度人材では欧米諸国を超えています。年間受け入れ数では、絶対数で独仏を抜き、
人口比で米国を上回っている。十分に移民受け入れ国となっていると言ってもいいでしょう」

 「中程度のスキルを持った労働者にとっても、日本が入りやすい国の筆頭と言えるかもしれません。
ミドルスキルを受け入れる仕組みは諸外国にはほとんどありませんが、日本には技能実習生として高卒レベル以上の人たちが多く入っている。
ちなみに米国などでは、日本のように特定の受け入れプログラムがあるわけではなく、
先に定着した移民が家族を呼び寄せるかたちでミドルスキルの労働者が入っています」

 ――コロナ禍の入国抑制で落ち込んだ分は今後、元に戻りますか。

 「今年の入国者数を見ると、月ごとの数字はコロナ禍以前の2019年とほぼ並んでおり、超えるかもしれません。
今年5月に参加したタイ・バンコクでの移民に関する会議では、コロナ禍で労働者送り出しを停止したアジア各国で、
早く外国に働きに行きたいという声が国民から上がっているという話を聞きました」

https://www.asahi.com/articles/ASQCC55GBQC9UPQJ001.html