編集委員・小泉信一2022年11月12日 18時00分

写真・図版
国道50号沿いにある「利根書店前橋野中店」。「男のDVD」という言葉がひときわ目を引く=群馬県前橋市野中町




 北関東を中心に事業展開し、成人向けのDVDやグッズなどを取り扱っている利根書店(本社・群馬県太田市)が「終活」で不要になったDVDの処分という活動に取り組んでいる。
2020年には65歳以上の高齢者から7万本を買い取り、昨年も同程度の数にのぼったという。家族に内緒で処分するケースも少なくないようだ。

 同店によると、15年からインターネットを利用した宅配買い取りサービスを本格始動させたところ、右肩上がりで急成長を遂げた。

 宅配なら段ボールにテープでふたをして送るため、中身を第三者に見られる心配が少ない。店員と店舗で面と向かって話をしたり、価格交渉をしたりするのが苦手な人が気軽に送ることができるメリットもある。

 80代の常連客や、介護施設に入る前に数千本の処分を依頼してきた客もいたという。

 昨年11月には1カ月間「バレない終活を応援しています」と銘打ち、65歳以上を対象に「男の終活応援キャンペーン」を実施した。
DVD10本以上で、査定額に1千円をプラス。成人向けDVDの処分に関する意識や要望を問うアンケートに答えると、500円分のアマゾンギフト券をプレゼントする特典もつけた。

 「配偶者やご遺族から大量のDVDの処分に困っているという話も寄せられています。人には明らかにしたくないデリケートな問題もあるだけに、
ご家族の精神的な負担を軽減できれば」と広報担当。コロナ禍で巣ごもり生活が多くなる中、身の回りを整理しようという人もいたという。

https://www.asahi.com/articles/ASQBK4TBVQB6UHNB001.html