シンガー・ソングライターの矢野顕子がカニなら、自分はカニかまぼこ―。タレント、清水ミチコ(62)が「カニカマの夕べ」と題した全国ツアーを来年3月まで開催中だ。1月2日には東京・日本武道館で9回目の公演を開催する。
1986年、東京・渋谷の小劇場「ジァン・ジァン」でデビュー。音楽と物まねを軸とする芸のスタイルで、ミュージシャン、俳優、政治家ら大物をネタにしてきた。「権力を持った人って物まねをすると楽しい空気になるんです」
ライブ歴は37年目。コンプライアンス(法令順守)を重視するなど人々の感覚が変わり、自らが年を重ねたことで、新たな課題が生まれた。
人の容姿はもちろん、被害者をおもんぱかると、犯罪も取り扱うのが難しい。年下をまねれば、いじめているように受け取られかねない。
その中で東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件など、人々が聞けば胸がすくようなネタにつながる出来事や「自分より年上で、権力者で、願わくば意地の悪い人」を日々探す。
ツアーでも、芸能活動の一線から退く意向を示した吉田拓郎ら時の人を取り上げる。「裏テーマ」は松任谷由実。デビュー50周年で高まる祝賀ムードを大歓迎。
「風が吹けば、おけ屋がもうかる、というようにユーミンさんが忙しければ、私も忙しくなる。カニカマというより、コバンザメかもしれません」
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