"あの"ジーンズ、1650万円で売れた! 弥彦の古着店

 新潟県弥彦村弥彦のビンテージ古着店「マッシュルーム」が販売していた、19世紀後半に製造された米リーバイ・ストラウスのジーンズが1650万円で売却された。購入したのは米国在住のビンテージジーンズディーラーの男性で、歴史的な円安が後押ししたとみられる。来年はリーバイ社の創業170年、ジーンズを販売して150年の節目で、さらなる高値で取引されそうだ。

 マッシュルームは2020年12月に、新潟市中央区万代地区から移転した。売却が決まったジーンズは、移転に合わせて代表の土田鏡(あきら)さん(45)が「日本で誰もやっていないことをしたら面白いのではないか」と考え、米国人コレクターから購入した。

 米国西部の炭鉱跡から発見されたもので、鉱員の作業着とみられる。ポケットやラベル跡の特徴から1873年に作られたと考えられる。同様のジーンズは切れ端程度しか残っていないものも多いが、ほぼ原形をとどめていることも価値が高い理由だ。

 今回購入したのは、土田さんと15年近くの交流があるブリット・イートンさん(52)。ビンテージジーンズの取引が盛んな米国で活躍するディーラーだ。今年10月、土田さんが所有するジーンズの対価として、現金1650万円とジーンズ300本を渡す契約を結んだ。土田さんは「元々販売するつもりだったが、ついにその時が来たなという感じ」と話す。

 土田さんによると、昨今の円安で割安になった日本国内に眠るビンテージジーンズを米国人ディーラーらが購入するケースが増えているという。リーバイ社の周年に当たる2023年には、通常よりも高値でオークションにかけられる見込みだという。

 土田さんは「これだけのものを2年間所有したことはチャレンジではあったが、テレビや新聞で取り上げられて、多くのお客さんが見に来店してくれた。納得できる結末になってよかった」と感慨深そうに語っていた。
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