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固くて甘くない韓国産の高級ぶどう「シャインマスカット」、評判急落の理由とは

韓国で最近人気の果物は肉と同じくらい値が張ります。高級ぶどう「シャインマスカット」も牛肉の値段と同じくらいでしたが、このところ急激に値を下げています。買いやすくなって消費者が歓迎しているのではないかと思いきや、そうではありません。品質が以前ほどでない上、味も良くないそうです。

 一体何が問題なのか。高級フルーツの没落をキム・チュンリョン記者がお伝えします。
 シャインマスカット売場の前、人はまばらです。高価なことで有名な果物が手ごろな値段で販売されていますが、買い求める人は多くありません。

 チャン・ヒョウォンさん/ソウル市永登浦区
 「最近出ているのは(ぶどうの)粒が少し小さいものが多いですね。ぶよぶよしているのも少しあるし…(大型スーパーなど)評判がいいところで買っています」

 シャインマスカットは最近、2キログラム入り1箱が1万ウォン(約1040円)前後で取引されています。1年前に比べ44%下がりました。

 最も大きな原因は供給過剰です。高い値段でもよく売れたため、どの農家もシャインマスカットを栽培し始めたのです。

 数年前まで田畑が多かった地域ですが、今はほとんどシャインマスカットを栽培するハウスが建っています。

 全国統計を見ても栽培面積は2016年に比べて16倍以上増えました。

 さらに深刻な問題は品質の低下です。面積あたりの生産量ばかり増やそうとしています。

 ハ・ギュホさん/韓国ぶどう協会会長
 「(1000平方メートル当たり)3000房できるなら、(1房当たり)1万ウォンで3000万ウォン(約310万円)稼げるのに、4000−5000房なら4000万−5000万ウォン(約420−520万円)…ぶどうがおいしくなくて捨てたんです」

 秋夕(チュソク=中秋節)のかき入れ時に合わせようと熟していないものも出荷されました。その被害はきちんと栽培している農家にも及んでいます。

 チェ・ウォンシクさん/シャインマスカット農家
 「秋夕の時は(お供え用の果物が必要なので)売値が高いじゃないですか。その時期に合わせようと早く出荷をしたら、当然おいしくない…自分で食べておいしくなければ、ほかの人も買わないのは当然でしょう」

 来年の生産量はさらに増える見通しですが、崩れた高級フルーツのイメージ回復は難しそうです。