ヤングケアラーの葛藤「家族か自分の人生か」迫られる選択

高校3年生の健人くんは、幼いころに両親が離婚し、母親と小学生の弟と3人で暮らしています。
母親は脳性まひで手足を動かすのが年々難しくなり、家事はほとんどできません。

このため健人くんが、母親の介護や家事、弟の世話などを担ってきました。
母親の着替えを手伝ったり、飲み物が飲みやすいようコップにストローをさしたりと常に気を配ります。
定期的にヘルパーの支援を受けていますが、食事の準備や洗濯などの家事が1日5時間に及ぶこともあるいいます。

健人くん
「自分も困っているといえば困っているのですが、自分の中では家事や介護をやることが当たり前になっています」

高校卒業を前に、健人くんはいま大きな悩みを抱えています。大学進学を機に家を出るか、このまま残って家族のケアを続けるか、決断を迫られているのです。

進学して1人暮らしをする場合、学費や生活費は全て自分でまかなわなければなりません。また、弟はまだ小学生で、頼れる大人もほとんどいません。

健人くんは進学に向けた準備を進める一方、本当に家を出てもいいのか決められずにいました。

「自分が今やっている介護や家事を全部、弟に任せることになるんじゃないかという心配はあります。
1人暮らしをしたいという気持ちはありますが、本当にいま、家を出て大丈夫なのかなと」


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