今年、世界で最も使われた「パスワード」って何か分かりますか? パナマのセキュリティー企業Nord Securityが15日に発表したランキングによると、世界30カ国の1位は「password」(使用回数約500万回)なんだとか。

 ちなみに、日本の1位は「123456」で、2位が「password」。何とずぼらな人の多いこと!

 気持ちは分からないでもない。ネット上では《パスワードの複雑化と複数化は、個人で管理できるキャパを超えている》なんて悲鳴も上がっている。

 だからだろう。

 セキュリティーサービスの企画や設計などを手がけるAironWorksが7日に発表した実態調査(全国の10~70代の男女716人対象)によると、プライベートで利用するウェブサービスやアプリで、少なくとも1つ以上、同じパスワードを使い回しているのは87.6%だった。

「20年、30年前から続いている問題ですが、今はある程度、使い回しになるのは仕方がない。ここまで増えると、さすがにもう覚えきれませんからね」と、ITジャーナリストの井上トシユキ氏がこう続ける。

「末尾を少しずつ変えたところで、今度はどれがどのパスワードか分からなくなったりする。手帳にメモしておいたりしても、毎年、新しい手帳に書き写すのが面倒になったり、ボロボロになったとか紛失して困ったなんて話も聞きます。『password』や『123456』は論外としても、だったら絶対に自分にしか分からないような複雑なパスワードを使い回す方が、まだ現実的でしょうね」

《パスワードは大文字と小文字と数字を組み合わせてください》とか言われても、記憶力の低下を痛感している中高年などはハードルが高くなるばかり。パソコンのパスワードを付箋に書いてパソコンに貼っているようなレベルの人は、なおさらだろう。

 スマホやパソコン上にパスワードのメモを保存しておいても、盗み見られるリスクはゼロとはいえないし、1カ所に集約しておくと、一気にすべてのパスワードがバレる恐れも……。

「それでも、どうしてもウェブサービスやアプリごとにパスワードを変えたいのなら、パスワードを管理してくれるアプリを利用するのが、現時点では“最適”です」(井上トシユキ氏)

 ネット上には《もうパスワードはなくして、指紋など生体認証で何とかしてくれ》とっいった声もある。

https://news.yahoo.co.jp/articles/c663d88172ea55365b46ef7cef2e6adaab231879