「マイナ保険証が義務化なら閉院するしか…」高齢医師の声も 日弁連の集会で医師団体が訴え

日本弁護士連合会(日弁連)は11月21日、マイナンバーカードと健康保険証を一体化した「マイナ保険証」義務化に反対する院内集会を衆院第一議員会館(東京)で開いた。 2024年秋で健康保険証を廃止し、マイナンバーカードと一体化する政府の方針に対し「本人申請に基づきカードを交付、発行するという任意取得の原則に反する」と見直しを求めた。

●「導入しない、できない」が14%

院内集会では、医師や歯科医師らが加入する全国保険医団体連合会の住江憲勇会長が、保険医協会会員らを対象にした保険証廃止の意識調査結果を報告した。調査には診療所など4747件が回答した。マイナ保険証の運用を開始している機関は26%、54%が準備中とした。一方で「導入しない、できない」という回答も14%あった。

導入しない理由を尋ねたところ「情報漏洩やセキュリティー対策が不安」「電子カルテなどの改修で多額の費用が発生する」との声が目立った。また、高齢の医師が運営する診療所では「マイナ保険証が義務化されれば閉院せざるを得ない」という声もあり、同連合会は「地域の患者にとって大きな損失になる」と話す。

マイナ保険証を読み取るカードリーダーなどの導入には補助金が出るが、場合によっては補助金の上限を超えるケースもあるという。住江会長は「医療機関に大きな負担を課し、必要性も曖昧なシステム導入を一律に課す不条理さがある」と指摘した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/038d87b2ac605843f078cc15782b70c853400808