「焼きソーセージ、ビールなし。(天然)芝が自然に生えない国で、4週間後には不要になるスタジアム」。東部ライプチヒのパブ「タンテ・ロジ」は、フェイスブックにこう投稿し、店内で今大会を放送せず、開催中は代わりに過去大会の名勝負の録画を放映すると説明した。店主の男性は、取材に「商業主義が行き過ぎた。こんなサッカーには耐えられない」と語った。

【試合情報】ドイツ 対 日本

 英紙ガーディアンによると、カタールではスタジアム建設などに従事した外国人労働者6500人以上が、過酷な労働で死亡したとされる。同性愛が違法で厳しい刑罰の対象となっているカタールの現状に抗議するため、選手が性的少数者(LGBTなど)を支持する虹色の腕章を着用して試合に臨もうとし、主催者側に禁じられる一幕もあった。
 独公共放送ARDの世論調査によると、56%が今大会を「全く見ない」と回答。理由の1位(50%)は「サッカーに関心がない」で、2位(41%)が「人権」だった。ドイツではW杯期間中、国旗が車や家に飾られるのが常だが、今回はほとんど見られない。
 一方、大会を政治的主張の機会と捉える風潮に批判的な向きもある。西部ミュールハイムのスポーツバー「ラウホファング」の店主の男性は、取材に「多くのファンはボイコットにいら立っている。過度な政治化はスポーツの楽しみを奪う」と苦々しげに語った。
https://www.jiji.com/sp/article?k=2022112300426