わいせつ目的隠し子供に接近、規制する法律なし…「グルーミング罪」新設案
わいせつな目的を隠し、子どもを褒めたり喜ばせたりして手なずける「グルーミング」について、法制審議会(法相の諮問機関)の部会が先月、対応する罪の新設に向けた試案を公表した。被害は後を絶たず、専門家は法整備を急ぐ必要性を指摘している。
「とにかく早く終わってほしいと思いながら、天井を見つめていた」。関東の女性(29)はその時の恐怖をはっきり覚えている。
小学生の時、共働きの両親は忙しく、放課後は週に数回ほど知人宅に預けられた。その家に住む高校生の「お兄ちゃん」は格好良く、何でも相談に乗ってくれる憧れの存在だった。
だが、ある日突然、部屋で2人きりの時に、服を脱がされた。別人のように怖い顔つきで、身動きができなかった。
行為は、中学生になって預けられなくなるまで繰り返された。「この時間だけ我慢しよう」と自分に言い聞かせ、誰にも相談できなかった。女性は「典型的なグルーミングだ」と振り返り、「被害の記憶は一生消えない」と話す。
グルーミングは、子どもを狙って、▽SNSなどで相談に乗って信頼関係を築く▽公園などで声をかけて親しくなる▽スキンシップを装う――などの手口で始まるケースが多い。
性被害の相談を受けるNPO法人「ぱっぷす」(東京)の金尻カズナ理事長(41)によると、被害を受けても、「相手との信頼関係を壊したくない」「親に迷惑をかける」などと考えて周囲に相談できないケースがあるほか、性に関する知識がなく被害に気づけないケースも少なくない。
以下ソース
https://www.yomiuri.co.jp/national/20221124-OYT1T50038/2/
https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/11/20221124-OYT1I50016-1.jpg