オフサイド判定にまで「機械化」の波―問われる審判の存在意義―
https://news.yahoo.co.jp/articles/422ee5c35bbe96f0191c774d7fa9347e5c100c56
意外に思う人がいるかもしれないが、日本で最も早くビデオ判定を採用したのは大相撲である。1969年春場所2日目、横綱大鵬と平幕の戸田が対戦し、土俵際できわどい判定となった。軍配は大鵬に上がったが、協議の結果、行司差し違えで戸田の勝利となり、大鵬の連勝は45でストップした。 しかし、NHKニュースでスローモーション再生されたところ、大鵬が勝っているのは明らかで、誤審が大きな騒ぎに発展した。そこで次の夏場所からはビデオ判定が導入されることになったのだ。 大相撲の最高位の行司である「立行司」が短刀を腰に差して土俵に上がるのは、間違って軍配を上げた時は切腹するという覚悟を示すためだ。大相撲がそのような古典的なスタイルを継承する一方、最新技術を早くから取り入れた点は興味深い。 大相撲はビデオ判定導入後も、行司を土俵から外すことなく、今も伝統を守り続けている。土俵の中にセンサーを埋め込んだり、力士の動きを高精度のカメラで解析したりすることも技術的には可能なはずだ。