欠かせぬ除雪 足りない人手 長時間勤務や苦情で離職者も 弘前の業者深刻

降雪シーズンが迫る中、青森県弘前市では除排雪を担う業者の人手不足が深刻な問題となっている。深夜に出動し、降雪次第では仕事が終わるのが夕方という長時間勤務。
住民からの苦情を直接受ける精神的な負担も大きい。ストレスで離職する作業員もいるという。除雪車の運転士からは「雪国に欠かせない仕事なのに、なぜここまで追い詰められるのか」と不満が漏れる。

「作業中に雪玉やスコップを投げつけられた。(監視するように)スマートフォンを向けられ続けたこともある」。弘前市の建設会社で働く男性(38)は、市内の住宅地を除雪していた時の経験を語る。
除雪車の通り道に、はみ出して駐車している車があり「嫌がらせとしか思えない」と感じることもあった。

2021年度、市には除雪の要望・苦情が前年度比約2倍の4430件寄せられた。内訳は排雪・道路拡幅の要望が1397件で最も多く、次が「除雪が粗末」「雪の塊を置いていった」という指摘の1138件だった。

男性は「任された地域をきれいに除雪できるようになるには5年は経験が要る。でも今の若手は毎日のようにクレームにさらされ、一人前になる前に辞めていく」と嘆く。

別の住宅街の除雪を担当する男性(58)は「元々道幅が狭く、雪の置き場がない。作業員が足りなくて排雪も進まない。ドカ雪になると道がどんどん狭くなり、住民から何とかしてくれと言われるが、どうしようもない」と窮状を語る。

https://news.yahoo.co.jp/articles/6c3e2fa6608f055d7f1f681ecd4bef9698a53f4f