トヨタ自動車グループの鋼材メーカー「愛知製鋼」の営業秘密を漏えいしたとして不正競争防止法違反に問われ、無罪判決が確定した同社元専務の 本蔵義信さん(72)が、ネット上の投稿で侮辱されたとして、名古屋市の男性(56)に198万円の損害賠償を求める訴訟を名古屋地裁に起こした。29日に第1回口頭弁論があり、男性は争う姿勢を示した。

 訴状によると、男性は3月19日、同地裁が本蔵さんらに無罪判決を言い渡したことを報じる「ヤフーニュース」のコメント欄に「バカ」「人を踏み台にした」などと書き込んだ。

 本蔵さんは訴状で「ようやく無実を証明した原告に甚大な精神的苦痛を与えるものだ」と主張。男性は答弁書で「侮辱するつもりはなく、誰のことか特定できないようにしているつもりだ」などと反論した。

 本蔵さんは10月、侮辱容疑で男性を刑事告訴、愛知県警に受理されたという。

https://www.yomiuri.co.jp/local/chubu/news/20221130-OYTNT50000/