「スーパー歌舞伎」を創設した三代目市川猿之助さんもそうだった。足は短かったけど運動神経がよくて、宙釣りだったり派手な演出だったりと、エンターテインメント性にあふれた舞台に挑み続けていた。王道の歌舞伎とは違うものだとしても、あれはすごいと思ったね。

そう考えると、だんだんと日本人の体形が歌舞伎では映えないものになってきているのかもしれないね。

昔と比べて日本人の平均身長は伸びてきている。現代の子供たちも同様で、親世代と比べて身長が高い傾向にあるようだ。一方で指摘されているのが運動能力の低下。体格はよくなっても、体力は落ちてしまっているということだ。

違いを見る上で最適なのが相撲だ。足の短い人の方が強さを発揮しやすい。重心が低くなって安定するからね。もし今と昔の子供同士を相撲で競わせてみたら、昔の子供の方が強いと思うよ。

フィギュアスケートでは伊藤みどりさんが印象に残っている。彼女も日本人体形だが運動神経は抜群で、すごいキレのある技を持っていた。彼女のジャンプはボクの目に焼き付いているよ。