「卵食べてお金もらえる」と勧誘 ねずみ講容疑で58歳代表逮捕

 「特別な卵を買って食べるだけでお金がもらえる」などのうたい文句でねずみ講を運営したとして、警視庁生活経済課は30日、東京都港区の「G―PEX」代表、峯岸正治容疑者(58)を無限連鎖講防止法違反容疑で逮捕した。峯岸容疑者らは2021年10月ごろに「みんなのたまご倶楽部」を設立。新型コロナウイルス禍で生活が困窮した高齢者や主婦らを狙い、約1万人から総額3億円を集めていたとみられる。

 捜査関係者などによると、峯岸容疑者は「峰岸妙光(みょうこう)」の名で活動し、セミナーなどで「コロナで立ち行かなくなった人に持続化給付金のような安定収入を提供する」などと宣伝。たまご倶楽部の入会金1万円を支払い、1個150円の卵を90個(計1万3500円分)購入すれば毎月2万5000円が入金され、さらに新規会員を1人紹介すれば24万円、5人なら160万円が受け取れるなどと勧誘していた。

 しかし、実際に卵や配当金を受け取ったのは一部の会員だけだったという。

 峯岸容疑者は卵について「栄養価の高い特別な卵」として1個150円で会員に購入させていたが、実際は群馬県内の養鶏業者から1個15円で仕入れていた。同じ卵はスーパーなどで安価で流通していたという。

 国民生活センターには21年11月ごろから「卵が届かない」「事業者と連絡が取れない」など、卵が絡んだ商法についての相談が複数寄せられていた。警視庁などは今年5月、無限連鎖講防止法違反の疑いでG社や関連会社などを家宅捜索した。

 峯岸容疑者は今年7月、毎日新聞の取材に対し「このシステムは破綻しないからねずみ講ではない」と違法性を否定。会員に卵が届かないことについては「クオリティーの高い卵を作るため、ヒヨコを育てているところだ」と説明していた
https://news.yahoo.co.jp/articles/32e4519b2f7bc3a7209c5cccd2e12e017caa826c