なぜいま海外で日本のマンガが爆発的に売れているのか? 欧米の出版関係者が語る“その熱狂”

若い世代が「紙の本」にこだわる理由

マンガが初めて英語圏の市場に進出したのは1970年代だが、ここ数年の驚異的な普及の背景には、さまざまな要因がある。

まず、NetflixやAmazonといった動画配信サービスがアニメの配信数を増やしたことが挙げられる。とくに既存の日本マンガをアニメ化した作品だ。

ロックダウンで自宅に閉じ込められたティーンエイジャーは、『東京喰種 トーキョーグール』や、『進撃の巨人』、『僕のヒーローアカデミア』、『鬼滅の刃』といったアニメシリーズに夢中になった。

やがて視聴者は、こうしたアニメの原作が大半はマンガであることに気づいた。しかも、これらの作品は単行本が何十巻も続いており、お気に入りのキャラクターの世界が延々と展開しているのだ。

「デジタル版の売り上げもコロナ拡大に伴って飛躍的に伸び、2022年も増加傾向にあります」とハムリックは言う。「でも実物の代わりにはなりません。読者は紙の本を欲しがります。コレクションして、SNSに写真を投稿するのです」

https://courrier.jp/news/archives/307727/