https://news.yahoo.co.jp/articles/82e2ca298f224e507d1c1e1f1fc493867189f901
「言いがかりともいえる内容」 三才ブックス、鳥取県の“有害図書”指定理由をPDF公開
一部の出版物が鳥取県から有害図書指定を受け、Amazon.co.jpで販売できなくなった件を巡り、三才ブックス(東京都千代田区)は11月25日、鳥取県から届いたという指定理由についての文書を公開した。県の説明に対し、同社は「『言いがかり』ともいえる内容だった」と指摘。県の対応に疑問を呈し、同社の見解をまとめている。
【画像】鳥取県の有害図書に関する指摘と三才ブックスの見解(2/5)
文書によると、鳥取県は3冊の書籍が改正した少年健全育成条例の第13条第1項第2号「著しく青少年の粗暴性又は残虐性を誘発、助長し、その健全な成長を阻害するおそれのあるもの」に該当するとしている。
例えば「裏グッズカタログ2022」では、つまようじを発射できる弓矢形の玩具「つまようじクロスボウ」を紹介している。これに対して県は「安価で購入できることや組み立て手順を記載している」と指摘。条例に定める有害図書類の指定基準のうち第2項第2号「殺人、強盗、傷害、暴行その他の反社会的行為の準備や実行行為の手段、経過を詳細かつ著しく刺激的に表現しているもの」に該当するとした。
三才ブックスは「いくらなんでもつまようじで殺人や強盗は不可能。飛躍し過ぎ」と反論。他にも県は3冊の書籍から12カ所の記述を問題視していたが、三才ブックスはその全てに対し「『言いがかり』といえる内容で、なんとしても有害図書に指定したことに対する正当性をアピールしたいという強い意志を感じた」としている。
また鳥取県の有害図書指定の規定には『全体的な内容が殺人、暴力等を興味本位に取り扱うことを主眼としていると認められるもの」とある。しかし指定理由に当たるとしている記事は3冊とも書籍全体の10%以下だった。
三才ブックスは「これをもって『全体的な内容』とするのは、あまりにも無理筋」と疑問を呈す。「にもかかわらず、審査員5人のうち4人は有害指定に賛成と投票している。となると、審査員に対し条例や規定についてきちんと事前の説明があったのかという問題が浮上してくる」(三才ブックス)