室内の温度差でも「ヒートショック」に 脳梗塞や心臓発作の危険も 防止策を建築業者に聞いてみた
朝晩、少しずつ冷え込むようになってきた。冬に気になるのが「ヒートショック」と呼ばれる健康被害。大きな温度差によって血圧が急に上がり、脳梗塞や心臓発作につながることもある。原因は住宅内の寒さだ。日置建設(兵庫県明石市大久保町江井島)の日置尚文さんは「住宅内の温度が上がると健康寿命が延びる」と話す。事故を防ぐためにはどうすればいいのか、詳しく話を聞いた。(領五菜月)
部屋の寒さが引き起こす健康被害はヒートショックだけではない。睡眠中、布団の中が暖かくても冷た過ぎる空気を吸うと、知らず知らずのうちに体に負担がかかってしまうという。日置さんは「住宅の温度を効果的に上げるには断熱が必要」と話す。徒然草に「家の作りやうは夏を旨とすべし」とあるように、日本の住宅は夏の快適さを優先してきた。欧米に比べると断熱対策が立ち遅れている。
断熱と聞くと大がかりなリフォームが必要で高額になるというイメージがあるが、日置さんは「全てを変える必要はない」と話す。部分リフォームをするだけでも、部屋の温度はかなり変化する。優先すべきは、①窓②床③天井だという。窓は一番熱が逃げやすく、改修が安価で効果も実感しやすい。床や天井の工事も比較的安価で、住みながらリフォームが可能だ。
浴室のヒートショック予防としては、冷たいタイル張りの浴室をユニットバスにリフォームすることが理想的だ。費用は約70~100万円程度となる。
また、費用も時間もかけにくい場合は「脱衣所やトイレに小さなヒーターを置く」「タイルの上にすのこやマットを敷く」などの対策も効果的。温度差を減らすことができるという。
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