闘いはピッチの中だけではなかった。サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会で1日(日本時間2日)、スペインに逆転勝ちして決勝トーナメント進出を果たした日本代表は、初戦で強豪ドイツから歴史的勝利を挙げたが、第2戦はコスタリカに敗戦。「手のひら返し」のように、ネット交流サービス(SNS)で一部選手らに対する激しい誹謗(ひぼう)中傷が広がっていた中、選手たちは平常心を保とうとしながら試合に臨んでいた。

 スペイン戦で決勝ゴールを決めた田中碧選手(24)=デュッセルドルフ=は試合後、勝利の喜びを口にした後に表情を曇らせ胸の内を明かした。「コスタリカに負け、いろいろな選手がいろいろなことを言われていた。同じ国民なのになぜ一緒に戦ってくれないのか」

 コスタリカ戦後に非難が集中したのは、中途半端なパスで相手の決勝点につながるミスをした主将の吉田麻也選手(34)=シャルケ=らだ。吉田選手のインスタグラムには「キャプテン失格」「戦犯」といった試合に関するものだけでなく、「(日本に)帰ってくんな」などと吐き捨てるような言葉もあった。バックパスを多く選択した伊藤洋輝選手(23)=シュツットガルト=のインスタグラムにも「お帰りください」「コスタリカの12人目の選手」など見るに堪えない言葉が並んだ。

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