2020年8月、埼玉県所沢市の自宅で娘=当時(15)=を殺害したとして、殺人の罪に問われた東京都港区赤坂、無職の女(54)の裁判員裁判の論告求刑公判が2日、さいたま地裁(北村和裁判長)で開かれた。検察側は懲役12年を求刑し、弁護側は心神喪失だったとして無罪を求めた。判決は14日。

 論告で検察側は、鑑定医などの証言などから女が患っている統合失調症などが犯行に及ぼした影響について「感情がコントロールしづらいとはいえ、顕著な影響はなかった」と指摘。女と被害者は共依存の関係にあったとした上で「関係悪化などから被害者に怒りがあった」と、強い殺意をもって犯行に及んだとした。

 弁護側は、犯行以前に女が被害者に対して危害を加えたことがなかったことなどを挙げ、「娘が男に襲われると思い、娘を守るために刺さなければならないという妄想の圧倒的な影響があった」と主張した。

 起訴状などによると、女は20年8月17日午後1時半ごろ~同月18日午前8時7分ごろ、所沢市の自宅で娘=当時(15)=の左頚部(けいぶ)を包丁で複数回突き刺し、殺害したとされる。
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