冬の需要期を迎えたマダラが北海道で大量に漁獲され、首都圏の魚市場などでも安値で取引されている。昨年に続く豊漁で、不漁や円安で多くの水産物が高騰している中、数少ない「お買い得品」として注目され、スーパーなどが特売品として売り込んでいる。(時事通信水産部 荒木建)

【写真】北海道から順調な入荷が続いて値下がりしているシラコ

 北海道東部沖の太平洋では、はえ縄やトロール漁などによるマダラの漁獲がこの秋から活発化している。11月の根室市と釧路市の主要漁港の合計水揚げ量は約3500トンで、数年ぶりの豊漁だった昨年水揚げより2割強も増加。平年並みだった一昨年との比較では3倍近くにまで急増している。

 水産資源などを調査、研究している北海道立総合研究機構水産研究本部によると「北海道のマダラ資源は、昨年が大変良好だったので、今年も良い状態が続いている可能性が高い」(中央水産試験場資源管理部)と分析する。増加の詳しい原因は調査中だが、水深が深い海域の魚のため調査が難しく、生態にはいまだに謎が多いという。

 なお、ほぼ同じ海域で漁獲されるサンマはここ数年、記録的な不漁が続き、マダラとは対照的な結果になっている。両魚種の関係について同研究本部は「生息する水深や水温帯が違うので、まったく別の問題」として、影響や相関関係を否定している。海水温の上昇など問題となっている地球温暖化などに対しても、両魚種では影響の出方が大きく異なるのだという。

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