https://www3.nhk.or.jp/lnews/takamatsu/20221202/8030014613.html

旅客船の岸壁衝突事故 “機器に不具合 速度落とせず衝突”

ことし5月、高松市の港で小型の旅客船が岸壁に衝突し、乗っていた人がけがした事故について、国の運輸安全委員会は、エンジンの出力を調整する機器に不具合があり、着岸時に速度を落とせなかったことが原因と推定されるとする調査報告をまとめました。

ことし5月、高松市庵治町の港で高松市沖の大島にあるハンセン病の国立療養所「大島青松園」の職員らが乗った小型の旅客船が桟橋に着岸しようとしたところ、岸壁に衝突し、船に乗っていた乗客が首やひざに軽いけがをしました。

この事故について、国の運輸安全委員会は1日、事故の調査報告書を公表しました。

それによりますと、当時、船長は、船に2つあるエンジンの出力を調整する「スロットルレバー」を操作して着岸させようとしましたが、レバーの操作を伝えるワイヤーを固定する金具に緩みがあったため、操作ができなくなったということです。

船長は、1つのエンジンを停止させましたが、速度が十分に落ちないまま、衝突したということです。

また、事故によるけが人が、合わせて5人に上ることも明らかにされました。

運輸安全委員会は、再発防止策として、出航前に「スロットルレバー」のワイヤー部分についても、目視で点検することや、1つのエンジンが作動しなくなる場合など、緊急時を想定した訓練を強化することなどを求めています。