道路を破壊する「ネット通販業者」 税金整備で国交省も敵視、“アマゾン税”なるジョークが飛び交う深刻な現実とは

道路が短命化している。その背景にはネット通販の増加もある。短命化すれば、道路に投じられる税金は増える。

逆説的な見方をすれば、ネット通販の事業者は税金で整備される道路というインフラにタダ乗りし、いたずらに傷める

「無法者」

ともいえる。

 もちろん、実際に道路を傷めているのは宅配・物流事業者の大型トラックだが、ネット通販によって荷物は増え続け、結果として大型トラックの通行が激しくなったことを考えれば、国土交通省や自治体の道路関係部局の担当者たちがネット通販を敵視するのも納得できる。
「アマゾン税」という笑えないジョーク

コロナ禍では、「置き配」という新しい配達方法が生まれた。置き配が定着すれば、再配達は減るだろう。しかし、定着しても、ネット通販の需要が右肩上がりで増え続ける限り、大型トラックによる道路破壊は止まらない。


道路の維持・補修費用に投じられる税金は決して微々たる額ではない。膨れていく道路のメンテナンス費用を誰が負担するのか。すでに岸田政権では走行税という道路増税案も示された、これは評判が悪く、見直しを余儀なくされている。しかし、道路破壊を放置するわけにはいかない。今後、そんな議論も始まるだろう。

 それにせんだって、「アマゾンに税金を課せばいい」というジョークを口にする関係者もいる。仮にアマゾン税が創設されたとしても、アマゾンはその分を利用者に転嫁するだろう。それまで送料は無料だったのに、有料へと切り替わることは想像に難くない。

 それでも、アマゾンの懐は痛まない。ネット通販が、それを要因に伸び悩むとも考えづらい。いずれにしても、それなら応益負担の原則にかなっているともいえる。

 コロナ禍で表面化したネット通販による道路破壊は、巣ごもり需要が一服したことで一応は落ち着きを取り戻しつつある。しかし、ネット通販が売り上げを伸ばしていくのは時代の要請であり、ネット通販の取扱量が拡大していくことは必至だ。国土交通省や地方自治体の道路担当部局の担当者たちが、戦々恐々とする日々は続く。
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