水を1日1回、家で育てられる「しいたけ栽培キット」が人気…3か月で50個収穫可能 : 読売新聞オンライン
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岐阜県高山市のシイタケ農家が開発した家庭で育てられる「しいたけ栽培キット」が人気を集めている。新型コロナウイルス感染拡大による巣ごもり需要の高まりで注目され、同市のふるさと納税の返礼品にも採用された。栽培は簡単で、約3か月にわたり、1キロ・グラムほどの収穫が見込め、物価高の折から、家計の一助にもなりそうだ。

同市で30年来、シイタケ栽培に取り組んできた「飛騨高山きのこの里」が製造・販売している。飛騨産ナラの木のチップやおがくずを固めた縦12センチ、横20センチ、高さ12センチ、重さ2・9キロ・グラムのブロックに、米ぬかや麦ふすまを加えて蒸気で殺菌した後、シイタケ菌を植え付ける。菌が回りきるまで4か月ほど完熟させて出荷するため、成長が早く、たくさん収穫できる。

栽培法は直射日光の当たらない20度前後の場所で1日1回、水を与えるだけ。芽が出たら間引きしながら育て、数日で食べられる大きさになる。3か月で50~60個を収穫でき、使い終わったブロックは 堆肥たいひ として家庭菜園に活用できる。

中田彰社長(65)は「生きている、採れたてのシイタケはみずみずしく甘い。ただ焼いただけでもおいしい」と話す。キットで栽培した家庭から「シイタケ嫌いの子どもが喜んで食べた」というはがきが届いたほどだ。

10年以上前から扱っていた栽培キットだが、一昨年までは、ほとんど売れなかった。昨年、ふるさと納税の返礼品になったことで話題になり、120個以上も売り上げた月もあった。今年は5000個を準備して、年末に急増するふるさと納税需要に備えており、滑り出しは順調だという。

キットは1個990円(税込み、送料別)。購入は、同社のホームページ(https://www.hidatakayamakinoko.co.jp/)や電話(080・1550・9888)から。同市のふるさと納税では、5000円の寄付で1セットの返礼などがある。