防衛省、「なりふり構わぬ」PR強化 若者向け演奏、パレードも

防衛力の「抜本的強化」に向けた議論が進む中、防衛省が広報活動を強化している。若い世代にアピールして人材確保につなげ、理解を広げることで防衛費の増額議論を後押ししたい思惑もある。

 「先輩方もしっかり指導していただけますし、就職先として考えていただけたらうれしい」

 「長期休暇は取れています。帰省できた時に地元に帰って家族とゆっくり過ごしています」

 11月18日夕、東京都千代田区の日本武道館。自衛隊の活動を紹介する防衛省主催の「自衛隊音楽まつり」の開演前、若い女性自衛官が仕事内容ややりがい、息抜き方法を語る動画がスクリーンで流された。「教えて先輩 Q&A」と題し、自衛隊の活動を知ってもらい、若者に興味を持ってもらうための映像だ。

 音楽まつりは56回目。防衛省関係者によると、例年は国会議員や関係国の大使らに招待枠を広げていたが、今年は浜田靖一防衛相の意向で公募枠を増やし、一般人を多く入れる仕組みにしたという。

 各隊は人気アニメ「鬼滅の刃」の主題歌や大ヒット映画のテーマ「トップガン・アンセム」、森山直太朗さんの「さくら」などを演奏。高校生や保護者らを招いた前日のリハーサル公演には若者に人気の音楽グループ「EXILE」の派生ユニットがサプライズ出演する一幕も。自衛隊関係者は「若者向けの曲目が多いのは、自衛官のなり手の青少年がターゲットだからだ」と話す。

https://www.asahi.com/articles/ASQD96HWKQCPUTIL00Z.html