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「野生動物にエサを与えないでください」、「近づかないでください」 自然公園ではこんな注意書きを目にすることがあるが、「舐めるな危険」の異例の警告を行ったのは、アメリカの国立公園局だ。

 というのも、ソノラ砂漠のヒキガエルを舐めようとしている公園訪問者が続出しているからだ。なぜなら、「ヒキガエルハイ」になれるからだ。

 ヒキガエルの分泌液には幻覚剤の一種が含まれており、強力な幻覚作用をもたらすという。ただしリスクも大きく、ヘロインやコカインと同等程度の危険性があるという。

ヒキガエルを舐めないで!国立公園局が注意喚起
 先日、アメリカの国立公園局がFacebookの公式ページにこう投稿した。

ソノラ砂漠のヒキガエルは、コロラドリバーヒキガエルとして知られており、北米に生息するヒキガエルの中で最も大きく18センチもあります。

このヒキガエルは耳下腺が発達しており、強力な毒を分泌しています。カエルを扱ったり、舐めたりすると病気になることがあります。

バナナナメクジや見慣れないキノコ、真夜中に目を光らせた大きなヒキガエルなど、国立公園で遭遇するほとんどのものに言えることですが、舐めるのはやめましょう。

幻覚作用のある毒物を分泌するヒキガエル
 「コロラドリバーヒキガエル(Incilius alvarius)」は、鳴き声だけなら弱々しい。だが、実際には弱々しいどころではない。その体からは強力な毒物を分泌しているからだ。

 その毒は、「5-メトキシ-N,N-ジメチルトリプタミン(5-MeO-DMT)」という幻覚物質で、南アメリカでは古くから幻覚剤として使用されている。

 迂闊にナメようものなら「ヒキガエルハイ」を引き起こす。

 その幻覚作用は1度の吸入で1ヶ月も多幸感を味わえるほど強力なものだ。

そのせいでヒキガエル・ドラッグが流行ってしまい、ニューメキシコ州では絶滅が危惧されるほど乱獲されるようになってしまったという。
あのマイクタイソンもぶっ飛んだほど
 ヒキガエルハイは著名人たちの間でも知れ渡っている。

 たとえば、伝説的なボクシング元ヘビー級チャンピオン、マイク・タイソンは自らそれを試して、「一発目のトリップで俺は死んだ」と語っている。

 「トリップして俺は見たよ。死の美しさをね」

 またバイデン大統領の息子ハンター・バイデンは、依存症の治療に5-MeO-DMTを利用しようと提唱しているらしい。

 ちなみに米国麻薬取締局の分類では、5-MeO-DMTは規制物質法の「スケジュールI薬物」に分類されている。つまり乱用の可能性が高い薬物で、医療での使用は認められていない。