流通や外食、繊維などの労働組合が加盟するUAゼンセンは12日、2023年の春季労使交渉でパート時給を金額ベースで50円を目安に引き上げるなどの執行部案をまとめた。「5%」の上昇幅となり、UAゼンセンを結成した12年以降で最高の要求水準となる。5%を基準として、さらに1%程度の上積みも視野に入れる。物価高が生活に与える影響が強まるなか、非正規雇用の賃上げにも注目が集まっている。

23年1月18日の中央委員会で正式決定する。正社員とパートを合わせた全体の賃上げ目標も6%程度と最高の水準で、連合が掲げる5%程度を上回る。ベースアップ(ベア)では4%程度の賃金引き上げを目指す。加盟組合に小売業やサービス業など賃金水準が比較的低い産業が多いため、高い要求を示して格差是正を促す考えだ。

UAゼンセンは約2200組合が加盟し、185万人の組合員を抱える国内最大の産業別労働組合。6割をパートなどの短時間労働の組合員が占め、男女別では女性の組合員が6割に達する。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC122T00S2A211C2000000/