饒速日命

物部氏の祖神。物部氏は軍事と祭祀をもって大和朝廷を構成した一大雄族で,その面影は神武東征の伝承に登場するニギハヤヒノミコトの姿に痕跡をとどめている。

『日本書紀』によると,ニギハヤヒは天神の子とされ,神武天皇より先に天磐船に乗って大和に天降り,長髄彦(ナガスネヒコ)の妹三炊屋媛と結婚して可美真手命を生んだ。ナガスネヒコがニギハヤヒを天神と崇めて忠誠を尽くそうとしたので,神武がその証拠を求めたところ,ナガスネヒコはニギハヤヒの神宝を見せてそれを明かしたが,ニギハヤヒは神武に帰順して逆にナガスネヒコを滅ぼしたという。

『万葉集』に出てくるソラミツヤマトノクニという表現は,ニギハヤヒが天降るときに発したとされる。

平安初期に作られた『先代旧事本紀』には別の伝えがあり,ニギハヤヒは尾張氏の祖神天火明命に同じで,天神から10種の神宝を授けられて河内国(大阪府)に天降り,そこから大和国(奈良県)に移ったと記している。ニギハヤヒは,この国の支配者として,かつては天皇家の祖神よりも古い伝承を持っていた。
https://kotobank.jp/word/饒速日命-591173#:~:text=物部氏の祖神,手命を生んだ。



調査80年、見えてきた布留遺跡 「物部氏の拠点」研究成果発表
https://digital.asahi.com/sp/articles/ASQ9V6S0DQ9PPOMB012.html