ヘディング危険? 英・グラスゴー大の研究結果、指導現場に影響
研究結果への対応はさまざまだ。イングランドやスコットランドのサッカー協会は頭部への強い刺激を与えないよう、
十一歳以下のヘディング練習を禁止に。
一方、日本サッカー協会(JFA)は「安全の観点からも正しい技術の習得が必要」として、禁止の立場をとらなかった。
小学四?六年は神経系の発達が著しい「ゴールデンエージ」といわれ、
空間認知などヘディングに必要な感覚を身に付けやすいとされる。JFAはこの時期に技術を養っておけば
将来的なリスク軽減につながるというスタンスで、今年四月に成長に応じた練習を提案するガイドラインを発表。
小学一、二年は「風船」、三、四年は「軽量のボール」を使い、「額でボールをインパクトする」という基本技術の習得に重きを置く。
J1名古屋グランパスの下部組織などで二十年以上、育成年代を指導してきた井森さんは「子どものうちから感覚をつかみ、
恐怖心を取り除くことが大事。ボールとの距離感や判断力を磨けば、けがの予防にもなる」と考える。
一方、同県大垣市の小学生チームで教える男性指導者(61)は「二年ぐらいヘディングは教えていない。
試合で使う機会も少なく、頭に危険が及ぶ可能性があるなら無理に練習する必要はない」と語り、指導者によって方針は分かれる。
ボールを額に当てられなかった時の衝撃はプロでも大きく、J2でプレーする現役DF
は「速いクロスをクリアする時、頭のてっぺんに当ててしまうとくらっとする」と明かす。
リスクを軽減する最適な方法を求め、指導現場での試行錯誤は続きそうだ。
https://www.chunichi.co.jp/article/373191