「この石がかつてその一部だった小惑星の地質過程や地質史を紐解くことは、私の専門領域です。隕石の研究をしているという理由だけで、まったく新しい鉱物の発見に関わることができるなど考えたこともありませんでした」とハードはいう。

「未知の新しい物質が発見されれば、材料科学者も必ず興味を持ちます。なぜなら社会のさまざまなことに利用できる可能性があるからです」とハードは指摘する。隕石の中で見つかった鉱物の中には、特異な磁気特性をもつ合成物質を製造するためのテンプレートや、新技術への応用に役立つものものもある。

この隕石の未来についてはまだわからないが、ハードによれば、隕石が購入希望者を探すために中国へ移されたらしいというニュースをチームは聞いたという。果たして科学目的のために追加の標本が入手できるかどうかは現時点では不明だ。

https://forbesjapan.com/articles/detail/52392/1/1/1