200度に上昇、やけどで水疱も 電熱ウエアの「異常発熱」に注意
全国各地で冬の寒さが本格化する中、衣服に内蔵された電熱線を発熱させて温める「電熱ウエア」をめぐり、「使用していたら穴が開いた」などといった相談が国民生活センターに相次いで寄せられている。同センターが商品テストを実施したところ、断線部同士を意図的に不安定に接触させて通電した場合には、発熱部分で200度に達したことを確認。テストでは異常な発熱によって商品が損傷したことも確認しており、同センターで注意を呼びかけている。
■5年半の間に228件の相談
電熱ウエアは、ジャケットやベストなどの衣服に電熱線による発熱体を内蔵させた商品。モバイルバッテリーなどの携帯型の電源を、衣服内部にあるコネクタと接続することで電熱線に電力が供給され、発熱する仕組みとなっている。
国民生活センターと全国の消費生活センターなどをオンラインで結び、相談情報を蓄積しているデータベース「PIO-NET」(パイオネット)によると、電熱ウエアに関する相談は平成29年4月から今年9月末までの約5年半の間に228件寄せられており、年々増加傾向にある。
主な相談事例を見ると、「衣服が焦げて穴が開いた」といった危害・危険に関する内容に加え、「温かくならない」といった品質に関する相談が目立つ。
【事例1】「電熱ベストを使用していたら首元が焦げて穴が開いた。そのせいで他の衣服にも穴が開いた」(50代、女性)
【事例2】「店頭で購入した電熱ベストを後日着用したところ、やけどをした。背中に10円玉ほどの大きさの水疱(すいほう)が3つできていた」(50代、女性)
【事例3】「1週間前に通販で買った電熱ベストの電源がすぐに落ちて温かさが続かない。業者に交換を求めるため電話したがつながらない」(40代、女性)
■異常を感じたらすぐに使用中止を
国民生活センターでは、電熱ベストの襟部分が焼損した事例について商品テストを実施。テストの結果、襟や背中の生地内部に電熱線が配置されており、襟部分に焼損した跡が確認された。また、焼損部では2本の電線同士が近接しており、電線と電熱線の接続部には保護材がなかったという。
また、着用時に擦れが生じたりした場合、内蔵された電線や電熱線に過度の負荷がかかり、それが繰り返されると断線に至る可能性もあることから、断線部同士を意図的に不安定に接触させて通電した場合のテストも実施。温度をサーモグラフィーを用いて測定したところ、「断線部同士が不安定に接触した箇所は通電開始とともに局所的な発熱がみられ、わずか30秒ほどで200度に達することがあった」(同センター)という。
国民生活センターでは、①丁寧に扱い、異常を感じたらすぐに使用を中止する②取扱説明書や本体の注意表示をよく読み、理解してから使用する③製造元や販売元、仕様が明示された商品を購入する-ことを呼びかけている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/9e93d7f70007f03e715857b7ae1d0760d4c52dc4
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