――今回の広告は「法的」に問題があるのか?

法的に問題はありません。問題となった広告は、刑法175条のわいせつ文書にも、自治体の青少年保護育成条例のわいせつ文書にも、いわゆる児童ポルノ規制法の児童ポルノにも該当しないことは明らかです。

また、電車内の広告放送に関する判例「とらわれの聴衆」事件判決(最高裁判所第三小法廷昭和63年12月20日判決)に照らすと、広告を見たくない人が広告を見たことにより精神的苦痛を受けたなどとして、広告の掲載者側に損害賠償を請求しても、そのような請求はまず認められないでしょう。

(中略)

――今回の議論について、どこに問題があると考えるか?

法的に問題がないということであれば、まず、国会議員等は憲法尊重擁護義務(憲法99条)を負っているのですから、憲法で保障された自由・人権の行使を合理的な理由なく妨げることを支持する発言をすべきではありません。地方議会議員も権力者側ですから、基本的には国会議員と同様に考えるべきです。

また、元国会議員であっても、同じ政党の現職の国会議員への影響力や支持者への社会的な影響力の大きさを考慮すると、そして特にこれから政界に復帰される意思があるというのであれば、憲法99条の理念を尊重して発言をすることが「立憲」的であるといえるでしょう。そうではない発言は「非立憲」的であるといえます。

https://news.yahoo.co.jp/articles/2df2ce1a2e495eb943403e7900e56fc16bce2012