「私は統一教会は宗教だとは思っていません」ー

飯星景子さんは力を込めて、こう語った。

1992年に旧統一教会に入信し、その後脱会したタレント・飯星景子さん。
キャスターやタレントとして活躍する真っ只中、一体、彼女に何があったのか。

安倍元総理の銃撃事件後初めて、飯星さんがTBSテレビ系「報道の日2022」の取材に応じ、ホラン千秋キャスターとのロングインタビューでその実体験を語った。

■なぜ飯星氏は沈黙を破り 旧統一教会を語る決心をしたのか
ホランさん:
過去の経験をテレビカメラの前でお話しされることは、近年そこまでなかったと伺っていますが、今回ご自身の経験を話そうと思って頂けた理由は何でしょうか?

飯星さん:
統一教会を脱会してから長い年月が流れて、整理できていなかった私の気持ちをある程度言葉に出来るようになったからというのが大きいですね。
それに、なぜ人はカルトに惹かれるのかを(安倍元総理の銃撃事件後)もう一度考える機会になったという気もしています。

飯星さんはこれまで「タレントという立場であり一般信者とは事情が異なるため、元信者を代表して話すことは出来ない」と、多くを語ることはなかったという。
しかし、旧統一教会に焦点が当たる中、自身がどのようにして旧統一教会に心を惹かれていったのか、その経験を話すことで何か役立てることがあればと、今回初めてカメラの前でインタビューに応じたと話す。

■入信のきっかけはスタイリスト
ホランさん:
飯星さんが旧統一教会と出会ったきっかけは何だったのでしょうか?

飯星さん:
私の場合は、長い間お仕事でつきあってきたスタイリストさんが入り口でした。すごく聞き上手で話すのがとても楽しかったんですね。
女同士だからその時々の悩みも話したりするじゃないですか、そういう悩み事を話してるうちにこういう団体があるんだけれどと言って、
アジア平和女性連合の仕事を頂くのをきっかけに「私も勉強してるから行ってみない」みたいな形で誘われました。

■飯星さんが旧統一教会に惹かれた理由
ホランさん:
最初は仕事だったと思いますけど、その後個人として向き合うことになったのは何故ですか?

飯星さん:
スタイリストの女性のことをすごく信頼していましたし、やっぱり共感みたいなものが欲しかったんだと思いますね。それに世の中って人の心も移り変わるし、常識も法律も変わる、何もかも変化していくじゃないですか?
言わばグレーゾーンの方が大きいわけですよね、(教団では)そこに判断基準が与えられる。世の中1から10まで全部決まるんですよ。
本当に楽、この楽さが気持ちよかったんだろうなって思いますし、だからその楽さに皆惹かれるのだと思うんです。
でも、人との繋がりを遮断し、家族にも会わせない、色んな価値観を全部白か黒に決める、これがカルトの世界なんですよ。

ホランさん:
旧統一教会に疑問を持つような心理状態ではなかったのでしょうか?

飯星さん:
そうですね・・・お風呂に入ってると思って下さい。そこにスポイトで一滴ずつ赤い染料を落とします。今日一滴入れただけでは色は変わりません。では1か月後はどうですか?少しピンクかもしれない。
でも毎日入っているうちにピンクが普通だと思うようになるんですよ。それがいつの間にか真っ赤なお風呂になっていて、でも本人はもうそれがお風呂の色だと思うようになってしまっている、そういう感じです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/6f7ae10dce7d313a21d12cf03998a6867c4cce8d?page=1