Dr.コトーの与那国島、宿の予約が困難な状況「来てしまえば何とかなると思わないで」

 16日、映画「Dr.コトー診療所」が公開された。物語の舞台である志木那島のロケ地となった与那国島の観光協会には、観光客から問い合わせが相次いでいる。協会のホームページ(HP)では「飛行機の予約は仮の状態で、まず宿をお探しください」「来てしまえば何とかなると思わず、事前の宿泊予約をお願い致します」とアナウンス。宿だけではなく、夕食にありつくのも難しい状況だという。聞けば、与那国島の注目度は「Dr.コトー」だけではなかった。

ホテルは休館、宿のスタッフは高齢化

 与那国島は、東京から約1900キロ、沖縄本島から約509キロ、台湾からは約111キロの距離にある日本最西端の地。本土から与那国島に行くには、那覇空港や新石垣空港を一度経由して行く必要がある。例えば羽田からは、那覇空港までが約3時間、那覇空港から与那国島まで約1時間半かかるので、単純に飛行機の移動だけで4時間半はかかる。

 与那国島にはコロナ禍前まで、約4万人の観光客が訪れていた。コロナ禍では2万人台まで落ち込んだが、今年はコロナも落ち着きはじめ、回復傾向に。そのため、観光客も増えている。

 観光協会によると、247人が宿泊可能な島最大のホテル「アイランドホテル与那国」がコロナ禍で休館し続けているのが「痛手」だという。協会の入米蔵享さんは「例えば30人規模の団体客の場合、アイランド以外のホテルでは受け入れが厳しいため、日帰りツアーに変わっています」。 

 島にはアイランドホテルを除いて、391人受け入れられるほど、多数の宿がある。しかし、ネット環境が整っている施設の宿も少ないため、「じゃらんや楽天トラベルからの予約ができる宿も少ない状況です。一軒一軒、直接電話して、予約できるか確認しないといけなません」  

 もう一つの要因は人手不足と高齢化だ。部屋が空いていても「満室」を掲げる宿もあるという。入米蔵さんは「コロナ前までは、人を雇って経営していた宿も、お客さんが来なくなって、働いていた方が辞めたり、辞めさせたりの状況です。さらに宿のスタッフは高齢化していて、手が回らず1泊2食付きだった宿の多くが素泊まりになっている。そうなると、次は食事の問題が出てくるんです」。
https://news.yahoo.co.jp/articles/ed88c1107cf5f6c3f976c8c8d2eaee67aaeedf73