「ゆみあずさ」は、多収でいもち病に強く耐倒伏性に優れる良食味水稲品種である。「あきたこまち」や「ひとめぼれ」より約1割多収なことから、業務用米としての利用に適する。
主要特性
「ゆみあずさ」は、いもち病に強く、多収・良食味の「奥羽400号」を母とし、多収・良質の「羽系1293」を父とした交配組合せから育成された品種である。
育成地における移植栽培の精玄米重は、標肥移植栽培では743kg/10a (5カ年平均) 、多肥移植栽培では809kg/10a (4カ年平均) で、「あきたこまち」「ひとめぼれ」より約1割多収である。
「あきたこまち」「ひとめぼれ」よりいもち病に強く、葉いもち・穂いもちともに "かなり強" に分類される。また、耐冷性は "やや強" に分類される。
食味は「あきたこまち」「ひとめぼれ」と同等の良食味である。
出穂期、成熟期とも早生品種「あきたこまち」より遅く、中生品種「ひとめぼれ」より早い "やや早" 熟期である。
稈長は「あきたこまち」「ひとめぼれ」より短く、耐倒伏性は "強" 。直播栽培でも、倒伏しにくく、精玄米重は701kg/10aと多収である。
玄米の千粒重は「ひとめぼれ」と同程度で、外観品質はやや劣る。
栽培適地
栽培適地は東北中部以南、目安として「あきたこまち」の栽培地域に適する。
いもち病に強いため、いもち病が発生しやすい地域に向く。その一方、高温耐性がやや弱いため、高温による白未熟粒が発生しやすい地域では栽培を避ける必要がある。
https://www.naro.go.jp/collab/breed/0100/0107/077924.html