「私は5月に自分の車を盗難されました。初めてのことだし、自分にとってはかけがえのない大きな財産で、頼れるのは警察の方しかいなくて、夜中に110番して警察の方に来ていただきました」

 駆けつけた警察の対応は、予想を大きく裏切られるものだった。

「被害者の私としては“すぐに少しでも探してくれるんだ”という期待を持つものなんですけれども、その場で言われたのは『もう基本的に出てこないと思うので諦めてください』。それが最初にかけてくださった言葉でした。非常にショックでした」

 男性はGPSをつけていたため、記録が残っていた。
 
「『ここまで動いているんです。ありますよ。追っかけられますよ』と言ったら、『じゃあそれをください』ということだったので、全部履歴をスクリーンショットに撮って、盗難されてから4時間後ぐらいに管轄の警察署の方に渡しに行きました。
これでやっと、じゃあここからやってくれるんだって思ったら、『そういうもんじゃない。手続きはいろいろあるからすぐに動けるものではない』と。もう時間との闘いですので、1日2日たったら解体されて売られているかもしれない。
時間的猶予のない状況なんですけれども、そういった対応だった。どうしようもないので、私は『もう自己責任で行きますよ。自分で探します』と言って、自分の妻の車に乗って、そのまま盗まれた埼玉から茨城に移動して朝一から聞き込み、捜索、自分でやりました」

 警察の初動はあまりに遅く、頼ることもできなかった。男性は仲間に協力してもらい、盗まれた愛車を懸命に追いかけた。

「午前中、警察の方から電話があって『今から行きます』と。やっと動いてくれるんだと思って、その方がいらしたら、目的は調書のときに書き間違えた訂正の母印が欲しかった。
せっかく来たんだから、何か少しはしてくれると期待してたんですけども、防犯カメラを見ただけで『もうきっとここにはないです。この先、行ってしまいますね。車もここにはないでしょうね』と言って帰られました」
https://news.yahoo.co.jp/articles/bb46a010d456458630bf815141db6f37d9dadd3d