月初から報告された公式のコロナ死亡者数は10人に満たない。だが、報道やソーシャルメディアへの投稿は各地で感染者が亡くなっていることを示唆する。北京を中心に葬儀場や火葬施設が対応に追いつけなくなりつつある事態が報告されている。

  北部の河北省から南部の広東省に至る住民が中国版ツイッターとも呼ばれる微博(ウェイボ)に、葬儀場や火葬施設に並ぶ人々の列がいつもより長いと相次ぎ投稿している。コロナによる死亡例はこれまで北京が中心だが、感染急拡大にもかかわらず、公式発表はここ数日で7人しか亡くなっていないとしている。


河北省の男性は、自身が働いていた火葬施設では11月までは1日当たり4、5件の火葬だったが、今は最大22件だと微博に投稿。この投稿はすでに削除されたものの、そのスクリーンショットが中国のソーシャルメディアで拡散し続けている。ブルームバーグ・ニュースはこの投稿を確認できず、投稿者にコメントを求めたが、返答はなかった。

  最近死亡した職員を追悼するためにある大学が伝えた死亡記事の数が増えていることを示すスクリーンショットも広く共有されている。微博に投稿した広東省に住む男性は、訪れた火葬施設では高齢者の相次ぐ死亡に対応するため、職員が残業していると指摘。湖南省の男性は葬儀場の廊下に遺体が並んでいたと投稿した。 

  重慶市のある女性は祖父が週末に亡くなったが、死亡診断書が届くまで長い間待たされたと投稿。同市は11月下旬からコロナによる新たな死者を報告していない。

  中国が徹底的に感染を封じ込めるゼロコロナ政策の緩和に向けた最初の暫定措置を11月後半に打ち出して以後に報告された死者数は20人足らず。なぜこんなに少なく、しかも報告された死亡例が北京に集中しているのかという疑問がソーシャルメディア全体に広がっていた。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-12-20/RN6DWCDWRGG001