60年で99%減

 ただ先行きは険しい。資源保護の観点から鯨の捕獲が制限されていることもあり、20年度の鯨肉の消費量はピーク時(1962年度)と比べて99%減の約2000トン。昨年度、市場に供給された鯨肉の卸売価格の合計は28億円だが、水産庁が捕鯨業界に支出した補助金は51億円に上る。共同船舶の鯨肉1キロあたりの平均卸値は1100円台で、補助金がなくても採算がとれる1200円には届いていない。

 同庁幹部は「国の支援がなければ産業として維持できない」と指摘する。

 零細業者が操業する沿岸捕鯨はさらに厳しい。全国で許可を受けている5隻のうち4隻が加入している「日本小型捕鯨協会」(福岡市)は今年から共同操業を始めた。漁場は北海道や青森県沖で、捕獲したミンククジラなどの解体を共同で行っている。燃料代や人件費を3~4割削減できる見込みという。

 同協会の貝良文会長(62)は「赤字から抜け出して自立するには業界内での協力が不可欠。ずっと続いてきた地域捕鯨を自分の代で終わらせたくない」と話す。

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