「配偶者手当」縮小・廃止を視野に議論を 経団連の春闘指針案

 2023年春闘で経営側の交渉指針となる経団連の経営労働政策特別委員会(経労委)報告書の原案が判明した。基本給を底上げするベースアップ(ベア)について「ベアの目的・役割を再確認しながら、前向きに検討することが望まれる」と明記。物価高などの情勢も踏まえ、企業側に積極的な対応を促した。企業が配偶者のいる社員に支給している「配偶者手当」についても縮小・廃止を視野に議論を進めることを盛り込んだ。

 配偶者手当を支給している企業の多くは、支給条件を「配偶者の年収103万円」以内に設定している。このためパートなどで働く女性の多くは働く時間を減らして年収を低く抑える就業調整を強いられており、「配偶者手当の壁」とも言われていた。

 原案では1990年代以降、日本の平均賃金が伸び悩んだ要因として、女性や高齢者を中心に非正規労働者が増えたことがあると指摘。「配偶者手当の壁」を意識した就業調整も影響しているとした。

 企業が配偶者手当を縮小・廃止した場合、それを原資にして子供を対象にした手当の増額や、基本給への組み入れを検討するよう促す。経労使報告は年明けに経団連から正式に発表される。
https://news.yahoo.co.jp/articles/8709f3350f2a7c46d6ba4ad9f885b5698c844240