各地で記録的な降雪となる中、製品評価技術基盤機構(NITE)が除雪機の使い方について注意を呼び掛けている。機械を停止させる安全機能を無効化し、除雪機の下敷きになって死亡する事故が後を絶たないという。
NITEによると、回転する金属刃で雪を砕く手押し式除雪機による事故は、2021年度までの10年間で計36件起きた。うち死亡事故は25件で、16件は利用者が除雪機の下敷きになっていた。

36件の都道府県別では、新潟が10件で最も多く、長野7件、北海道5件と続いた。年齢別では60代以上が約8割を占めた。

04年度以降に出荷された除雪機には、ハンドルとクラッチレバーを一緒に握らなければ動かない安全機能が備わっている。しかし、21年1月に広島県で80代男性が下敷きとなった死亡事故では、大型の洗濯挟みでクラッチとハンドルが固定されていたため、安全機能が機能しなかった。NITEは「寒い中、クラッチを長時間握り続けるのはつらいと感じる利用者が多いのでは」と分析する。

エンジンを動かしたままにしたことによる事故も相次ぐ。新潟県で21年1月、除雪機の周囲で遊んでいた男児(9)が、回転部に巻き込まれ死亡。北海道では同11月、除雪機を動かしたまま物置で作業していた70代女性が、一酸化炭素中毒で死亡した。回転部が停止する前に雪を素手で取り除こうとして、手指を切断する事故も起きている。

NITEの担当者は「安全機能を無効化せず、状況に応じてエンジンを切るなど使用上の注意を守ってほしい」と話している。(2022/12/24-13:32)

https://www.jiji.com/jc/article?k=2022122400098&g=soc